医療脱毛のクリニックを比較すると、「ジェントルマックスプロ」「メディオスター」「ソプラノチタニウム」など多くの機械名が出てきます。機械によってレーザーの波長、照射方式、冷却方法などが異なるため、料金だけでなく機械を見て選びたい人も多いでしょう。
ただし、機械名だけで脱毛効果の優劣を決めるのは適切ではありません。2026年9月時点の各クリニック公式情報を確認し、レーザーの種類・熱破壊式と蓄熱式・代表的な機械・毛質や肌質に合わせた選び方を整理します。
医療脱毛の機械は何が違う?まず見るべき4項目
医療脱毛機の違いを理解するには、商品名を暗記するより「レーザーの種類」「照射方式」「冷却」「機械を指定できるか」の4点を見ると分かりやすくなります。同じメーカーのシリーズでも仕様が異なることがあります。
また、一台で複数波長を扱ったり、熱破壊式と蓄熱式を切り替えたりできる機械もあります。
レーザーの種類・波長が違う
医療脱毛では主にアレキサンドライトレーザー、ダイオードレーザー、ヤグレーザーなどが使われています。波長が異なるとメラニンへの反応やレーザーが届く深さなどに違いがあります。
| レーザー | 代表的な波長・仕様 | 特徴 |
|---|---|---|
| アレキサンドライト | 755nm | メラニンに反応しやすく、濃く太い毛で使われることが多い |
| ダイオード | 機種により異なる | 蓄熱式・熱破壊式の両方に対応する機種がある |
| ヤグ | 1064nm | 波長が長く、深い位置まで届きやすい |
ジェントルマックスプロのようにアレキサンドライトとヤグを切り替えられる機械や、ソプラノチタニウムのように755nm・810nm・1064nmの3波長を同時照射する機械もあります。
熱破壊式と蓄熱式がある
熱破壊式は高出力レーザーを照射し、毛母細胞や毛乳頭などの発毛組織を破壊する方式です。太く濃い毛に使用されることが多く、照射後1~2週間程度で毛が抜け落ちる機械があります。
蓄熱式は低出力レーザーを連続照射して熱を蓄積し、バルジ領域などへアプローチする方式です。熱破壊式より刺激を抑えやすく、産毛などにも使われます。メディオスターシリーズでは、蓄熱式の場合は照射後2~4週間程度が毛の抜け落ちる目安として案内されています。
「ダイオード=蓄熱式」という意味ではありません。メディオスターNeXT PRO・モノリスのように、ダイオードレーザーで蓄熱式と熱破壊式の両方に対応する機械があります。
冷却方法や照射面の形・大きさも違う
医療レーザーは熱を利用するため、冷却は痛みや皮膚への熱負担を抑えるうえで重要です。ジェントルシリーズでは冷却ガス、メディオスターやソプラノシリーズではハンドピースの冷却機能など、機械によって方式が異なります。
照射面も円形・四角形などの違いがあります。湘南美容クリニックのスプレンダーXはスクエア型で照射し、ジェントルシリーズは円形スポットを使用すると案内されています。
照射面の広さや照射速度は施術時間にも関係しますが、実際の所要時間は部位、体格、剃り残し、出力などでも変わります。
患者が機械を選べるかが違う
複数の機械を導入していても、自由に指定できるとは限りません。湘南美容クリニックは機械指定に対応していますが、指定すると予約が取りづらくなる可能性があり、一部院には希望機種がない場合があります。
一方、フレイアクリニックは患者による機械指定はできず、状況に応じてNext PROまたはモノリスなどを選定します。リゼクリニックも専門知識を持つ医療従事者が機械を決定し、患者による指定予約はできないと案内しています。
「導入機種が多い=好きな機械を毎回使える」と考えず、契約プランで指定できるか確認しましょう。
代表的な医療脱毛機の違いを比較
ここからはクリニックで採用例のある代表的な医療脱毛機を比較します。同じ機械でも、クリニックの照射方針や契約プランによって使用方法が異なる場合があります。
機械そのものの仕様と、実際に受けられる施術内容を分けて考えることが大切です。
| 機械 | 主なレーザー | 方式 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ジェントルレーズプロ | アレキサンドライト | 熱破壊式 | 濃く太い毛で使われる代表機 |
| ジェントルマックスプロ | アレキサンドライト+ヤグ | 熱破壊式 | 2波長を切り替え可能 |
| スプレンダーX | アレキサンドライト+ヤグ | 熱破壊式 | 2波長・スクエア型照射 |
| メディオスターNeXT PRO | ダイオード808nm+940nm | 蓄熱式・熱破壊式 | 2波長同時照射 |
| メディオスターモノリス | ダイオード808nm+940nm | 蓄熱式・熱破壊式 | Next PRO後継・高速化 |
| ソプラノチタニウム | 755nm+810nm+1064nm | 主に蓄熱式 | 3波長同時照射 |
| ジェントルYAGプロ | ヤグ | 熱破壊式 | 深い位置の毛への選択肢 |
ジェントルレーズプロ|濃い毛を重視する人が比較しやすい
ジェントルレーズプロは755nmのアレキサンドライトレーザーを搭載した熱破壊式機です。湘南美容クリニックやレジーナクリニックなどで導入例があります。
アレキサンドライトはメラニンに反応しやすいため、ワキやVIOなど太く濃い毛に使用されることが多いレーザーです。一方、肌のメラニンにも反応するため、日焼けや肌色によって照射できない場合があります。
ジェントルマックスプロ|アレキ+ヤグを使い分け
ジェントルマックスプロは755nmのアレキサンドライトレーザーと1064nmのヤグレーザーを搭載した熱破壊式機です。2種類を切り替えられるため、毛質・部位などに応じた使い分けができます。
ヤグは波長が長く深い位置へ届きやすい一方、刺激を強く感じることがあります。湘南美容クリニックもヤグ照射は他波長より痛みを感じやすいとして、麻酔クリームを推奨しています。
ジェントルマックスプロを導入しているだけで、全身すべてをヤグで照射できるとは限りません。クリニックごとの対象部位や波長選択ルールを確認してください。
メディオスターシリーズ|2波長のダイオードレーザー
メディオスターNeXT PROと後継のモノリスは、808nm・940nmのダイオードレーザーを同時照射する機械です。蓄熱式と熱破壊式の両方に対応しています。
モノリスは最大照射速度が20Hz、Next PROは最大12Hzとされ、モノリスではハンドピースを常時2本接続できるなど施術効率が改善されています。
フレイアクリニックでは両機種を全院に導入していますが、患者による機種指定はできません。また同院では蓄熱式を基本に提案し、安心プランでは部位によって熱破壊式を選択できます。機械名だけでなくプラン条件まで確認しましょう。
ソプラノチタニウム|3波長を同時照射
ソプラノチタニウムは755nm・810nm・1064nmという到達深度の異なる3種類の波長を同時に照射するダイオードレーザー機です。レジーナクリニックや一部のフレイアクリニックなどで導入されています。
ハンドピースには冷却機能があり、肌を冷やしながら照射します。複数波長を使えることから幅広い毛質・肌質への対応を目的に採用されています。
ただし「3波長だから1波長の機械より必ず効果が高い」という意味ではありません。機械の波長数だけで優劣を決めないようにしましょう。
毛質・部位別に医療脱毛機をどう選ぶ?
機械選びでは、自分が最も脱毛したい部位の毛質を考えることが重要です。全身には太い毛と細い毛が混在しているため、一種類の特徴だけで全身の適性を判断することはできません。
肌状態も照射可否に関係するため、最終的には医師・看護師の判断を受けてください。
ワキ・VIOなど太く濃い毛
ワキやVIOのような濃い毛では、アレキサンドライトレーザーを使う熱破壊式機が候補になります。ジェントルレーズプロ、ジェントルマックスプロなどが代表例です。
VIOではヤグレーザーを使えるクリニックもあります。湘南美容クリニックでは男女VIOでヤグを選択可能としています。ただし痛みを感じやすいため、麻酔の料金・利用条件も比較しましょう。
男性のヒゲなど根が深い毛
男性のヒゲは太いうえ、毛根が深い部分があります。1064nmのヤグレーザーは波長が長く、深い位置の毛への選択肢になります。
リゼクリニックではジェントルYAGプロを含む複数機種を導入し、毛質・肌質に合わせて医療従事者が機械を選定しています。
ただしヤグを使えば少ない回数で必ずヒゲがなくなるわけではありません。ヒゲ脱毛は希望する仕上がりによって多くの回数が必要になることがあります。
顔・背中など産毛が多い部位
顔や背中など細い毛が多い場所では、ダイオードレーザーや蓄熱式が選択肢になります。低出力を繰り返して熱を蓄積するため、メラニンが少ない産毛にも使用されています。
ただし産毛は太い毛よりレーザーが反応しにくく、必要回数が増える場合があります。また顔・背中などでは硬毛化が起こる可能性もあるため、硬毛化時の対応を確認しておくことが重要です。
褐色肌・色素沈着がある場合
肌のメラニンが多い場合、レーザーが皮膚にも反応してやけどにつながるリスクがあるため、機械・出力の選択が重要です。蓄熱式やヤグレーザーが候補になる場合があります。
フレイアクリニックは蓄熱式について、低出力で熱を蓄積するため褐色肌や色素沈着がある肌にも照射できる場合があると説明しています。
ただし、直近の日焼けや炎症がある場合などは照射できない可能性があります。「この機械なら日焼けしていても必ず大丈夫」と自己判断しないでください。
機械でクリニックを選ぶときの注意点
希望機種を決めても、実際の契約プランでその機械を使えなければ意味がありません。導入機種一覧だけではなく、機械指定・院ごとの設置状況・追加料金まで確認しましょう。
また、医療脱毛には機械にかかわらず肌トラブルのリスクがあります。
「ジェントルマックスプロ導入」だけで決めない
人気機種を導入しているクリニックでも、全患者が毎回その機械で施術を受けられるとは限りません。院によって未設置だったり、予約時に空いていなかったり、機械指定自体ができなかったりします。
契約前には「このプランで希望機種を指定できますか」「指定料金はありますか」「指定した場合の最短予約はいつですか」と確認しましょう。
機械指定で予約が取りにくくなることがある
湘南美容クリニックは脱毛機の指定に対応していますが、機械の空き状況によって予約が取りづらくなる可能性があると公式に案内しています。
機械へのこだわりが強い人は、希望機種の設置台数や利用できる院も確認するとよいでしょう。特定機種だけを指定するより、複数機種を使い分けてもらうほうが予約しやすいケースもあります。
痛みは機械だけでは決まらない
一般に熱破壊式やヤグレーザーは刺激を強く感じることがありますが、痛みには個人差があります。部位、毛の濃さ、出力、冷却、肌状態によっても変わります。
痛みに弱い人は機械名だけでなく、テスト照射、麻酔クリーム、冷却機能、出力調整の方針を確認しましょう。麻酔が有料ならコース料金に加えて総額を計算してください。
契約前チェックリスト
- 導入している脱毛機の正式名称を確認した
- 希望機種が通う予定の院にあるか確認した
- アレキサンドライト・ダイオード・ヤグの違いを理解した
- 熱破壊式・蓄熱式のどちらを使うか確認した
- 契約プランで機械指定できるか確認した
- 機械指定に追加料金がかからないか確認した
- 指定すると予約が取りにくくならないか確認した
- 自分の毛質・肌質に機械が合うか相談した
- 麻酔料金を確認した
- 日焼け・色素沈着がある場合の対応を確認した
- 硬毛化・やけど・毛嚢炎などの対応を確認した
医療脱毛の機械は、レーザーの波長、熱破壊式・蓄熱式、冷却方法、照射速度、複数波長への対応などが異なります。ジェントルマックスプロのような2波長の熱破壊式機、メディオスターのように蓄熱式・熱破壊式を使い分けられるダイオード機、3波長を同時照射するソプラノチタニウムなど、それぞれ特徴があります。
ただし、特定の機械がすべての人・すべての部位で最良とは限りません。濃い毛、産毛、深い毛、肌色などによって適した選択肢は変わり、最終的な効果にも個人差があります。
クリニックを選ぶときは「人気機種があるか」だけでなく、自分の契約プランで実際に使えるか、指定できるか、指定すると予約へ影響しないかまで確認しましょう。毛質・肌状態を医療従事者に見てもらい、適切な機械・出力を選んでもらえる体制も重要な比較ポイントです。
